好きの形はひとそれぞれ

【舞台・アイドル・宝塚・ドラマ】好きなことを好きなように。

完全なる憑依型コリンズ

待ってました、日本版RENTの上演!

私がお邪魔したのは、7/10 19:00 
Wキャストは、ジェニファー、平間壮一、上木彩矢、堂珍さん。
チャリティーウィークの初日。

前回の2015年から続投の方が多い中でも、今回はダブルキャストは全部続投メンバー。
変わったキャストの中でも特に私がその底力に期待していたのは、
やっぱりコリンズの光永さんでした。

どういった経緯で今回のコリンズはシングルキャストなのかわからないし、大人の事情とかスケジュールの都合とかいろいろあるんでしょうけど、あとは力量の違いなのかわからないけれど、私は圧倒的に前回の加藤コリンズが大好きだったわけですね。

超絶歌がうまいタケさん派の方もかなり多いように感じてましたけど、
私は役者として「伝える」事に重点を置いた加藤コリンズがとにかく大好きでした。
彼の内面からにじみ出る善人オーラが観る人からみればコリンズ味が足りないとおもわれたかもしれないけれど、仕草から声から姿勢から視線から強さを持って愛を守ろうとする姿は、素晴らしい言葉で紡がれる物語に言葉以上の愛を注いでくれていると思いました。

今年は出てないのに加藤コリンズで盛り上がる空気の読めないおばさんでごめんけど、
ようするに、それだけ加藤コリンズ不在の悲しみは深く、
光永って誰やねんって思っていたわけですよ。いきなり出てきてシングルキャストって何事?!と。

経歴は紛うことなく歌手。
きっと歌は上手なんだろうなあと察しはつきました。

でもミュージカルは歌だけじゃない。
その隙間をこの光永コリンズはどう埋めるんだろうなと、「優しそうな顔をしているお兄さん」の写真をみながらふむふむと思っていたわけですね。(失礼きわまりない私)

そして幕があいて、第一声を聞いた時。
電話をかけて鍵落として…のシーン。上の人達とあまり噛み合ってない様子に、
おい…マジか…と完全に心の中がざわついたわけです。
この日は特に、音響の調子が悪かったのかキャストの立ち上がりが悪かったのか
1幕の序盤はこじんまりしてる印象があって。

ところがどっこい。
この光永コリンズはどっぷりとコリンズだったわけです。

 

あーそうかそう来たか。
エンジェルと並んだ途端、あっという間にコリンズですよ!

 

二人が親密になる過程ってそこまで丁寧に描かれていないけれど、
その切り替わりも見事。

 

光永コリンズは完全に憑依型。
隙間なんて最初からなかった事に気づきました。

 

ヘタウマ、っていったらちょう失礼ですけど、
でも、あまりにも「本人」感が強くて
ナチュラルにそこで息をして言葉を話す姿がもたらすリアリティーは
すごく説得力があるんですねとっても。

そして光永コリンズを語る上で最もしっくり来るのが
「包容力」という言葉。

大きな身体で壮ちゃんエンジェルを包み込むだけじゃなく
あの優しくて深い歌声でぜーーんぶ包み込んでしまう。

この憑依型光永コリンズはおそらく開幕してから
ものすごいスピードで進化してるはずです。
千秋楽にむけてさらに仕上がっていきますよね。

シングルキャストにした事でよりその成長速度も早いだろうし
あの最高にエモいI'll cover youで客席全員が嗚咽しながら泣く未来が来る。間違いない。(すでに私ふくめ結構まわりは泣いてた)

はじめましての方なのに、次の公演でどのぐらい素晴らしいコリンズになるのかなと期待せずにいられない、とっても愛おしい光永コリンズでした。

やたらエモくなっていた続投キャストなどその他の話は追々。


おかえりなさい、RENT!
千秋楽までみなさん元気に突っ走って下さい!